スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

知られざるマタドールの世界・前編


闘牛士が身を置く世界こそが唯一死と隣り合わせの芸術であり、その技巧は演技者の栄光となって語り継がれる。
ヘミングウェイ


マタドール

 スペイン語で殺し屋を意味するマタドールはその冷酷な名前とは裏腹に血に濡れたマフィアの手先でも無く、切り裂きジャックの様な殺人鬼でもありません。それはスペインを代表する英雄たちに冠せられる称号なのです。
彼ら(彼女ら)の正式名称はマタドール・デ・トロス、牛を殺す者の意です。およそ1,000年近い長い伝統と格式を誇るスペイン闘牛の主人公こそがこのマタドールの正体なのです。
スペイン人がこぞって熱狂する闘牛の舞台の中心には400kgを超す巨体の牡牛を深紅のマント(ムレタ)一つで優雅に翻弄し技を決めるマタドールが居ます。光の服(トラーヘ・デ・ルーセス)と呼ばれる煌びやかな衣装に身を包んだマタドールは常にスペインっ子達の憧れの的でした。
文豪ヘミングウェイや画家のゴヤやピカソを魅了しインスピレーションを与えたマタドールの世界を覗いてみましょう。



コリーダ(闘牛)の流れ

 スペインの伝統的な闘牛には騎馬闘牛(ヒネタ)、徒歩闘牛(トレオ・ア・ピエ)があり、徒歩闘牛も正闘牛士が行う物(コリーダ)から見習い闘牛士のみで行う物(ノビジャーダ・シン・ピカドール)、有名なパンプローナ地方の牛追い込み祭り(エンシエロ)等の物に分かれる。
闘牛と言って真っ先に思い浮かべるのは前述の徒歩闘牛のコリーダであろう。

 今日のコリーダは基本的に3人のマタドールが助手達と共に一人一頭を相手し、それを2巡する事で計6回の闘牛が行われる。
コリーダの流れは格式ある伝統に沿って以下の様に進行される。

・入場行進
楽団によるパソ・ドブレの演奏が鳴り響く中、トレーロ(闘牛士)達が入場する。最初にマタドールが3人、それぞれの助手役であるバンデリリェロ(銛闘牛士)が3人ずつ、馬に跨ったピカドール(槍士)が2騎ずつ、そしてその他の馬丁や関係者の順で入場する。
こうして挨拶を終えた後、雄牛を放つ為に闘牛士たちは壁の中へと立ち去る。

・牡牛の入場
出身の牧場を示すタグを背中に挿した牡牛が闘牛場(アレーナ)に放たれる。

・第一の場面(テルシオ・デ・ヴァラス、槍の場面)
まずはマタドールやバンデリリェロらによってカポーテと呼ばれる金とピンクのマントを用いて牛の性格などを把握する為のテストが行われる(スエルテ・デ・カポーテ)。
カポーテを用いて雄牛を動かしその反応を見るのだ。

こうしたテストの後、2騎のピカドールが登場し馬上から槍(ピカ又はヴァラ)を牡牛の背中に突き立てる。
槍の先端は十字になっており、深く突き刺さらない(止めを指せない)様になっている。この槍による一撃で牡牛をある程度弱らせ、主役であるマタドールの為に舞台を整えるのである。
この時、上手く牡牛の首を支える筋肉を攻撃出来れば後の仕事が非常にやり易くなる。というのも牛の首が垂れ下がり、急所がむき出しになるからだ。

また、牡牛が馬へ攻撃を執拗に行い離れない時はカポーテを用いて引き離し(キテ)にかかる。

・第二の場面(テルシオ・デ・バンデリリャス、銛の場面)
第二の場面では、3人のバンデリリェロが長さ60cm程で目立つようにリボンを巻き付けた銛を2本ずつ持ち、交代で牡牛の背中に突き立てていく。
身を守る物を何もつけていないバンデリリェロ達は機敏に動き回りこの離れ業をやってのける。見事雄牛の背中に銛を突き立て逃げおおせた銛士達には惜しみない拍手が注がれるだろう。
怒った牡牛はバンデリリェロを追いかけるが大抵は無駄に体力を消耗するだけに終わる。

・第三の場面(テルシオ・デ・ムエルテ、殺しの場面)
闘牛の見せ場でもある第三場面はムレタと剣のみでマタドールが牡牛と一騎打ちを果たす場面である。
まずマタドールが緩急のある動きでムレタを操り、牡牛の果敢な攻撃を華麗に捌く事から始まる(スエルテ・デ・ムレタ)。
パソ・ドブレが会場の興奮を否応なしに更に盛り上げ、マタドールがムレタでの技(パセ、つまり通過させるの意)を決める度に会場からオーレ!の掛け声がかかる。このムレタによる「仕事」(ファエナ)が終われば遂に牡牛に剣(エスパーダ)を突き立てる瞬間(エストカーダ、刺すの意)がやって来る。
雄牛が疲れ切り、会場の興奮が最高潮に達した瞬間、マタドールは雄牛の急所に剣を突き立てる。エストカーダに失敗すれば観客からの失望を受ける事になるが、マタドールはすぐに代わりの剣を受け取り再び牡牛に攻撃を行う。
無事エストカーダが致命傷を与えられたら、雄牛の痛みを和らげる為に従者たちがすぐに短剣で以って脊髄を絶つ。

第三の場面には15分の制限時間が設けられており、もしマタドール事を失敗すれば大いなる不名誉を被る事になるだろう。
しかし、素晴らしい演技を行った場合は観客が主催者(プレジデンテ)にマタドールが相応の栄誉に浴する事を喚声とハンカチを振る事でもって要求する。
栄誉の段階はいくつかあり、雄牛の耳を1つ、2つと素晴らしい演技であれば多くの耳を与えられ、それにも増して良ければ尾を与えられる。また、マタドールとその助手達にはアレーナを一周し観客たちの歓声に浴する権利も与えられる。
その日の演技を通して比類なき演技を見せたマタドールは更に、観客たちの肩車に乗って闘牛場の正門から町へと凱旋に行く事を許される。
殺された雄牛はラバによって肉屋へと運ばれ解体される。ほんの一握りの健闘した雄牛だけが観客と主催者から許され、アレーナから生還する事が出来る。

流血シーンが含まれます。
スポンサーサイト

テーマ : Tree of Savior
ジャンル : オンラインゲーム

PR
プロフィール

たよりなさげだ

Author:たよりなさげだ
今はToSやってます

最新記事
検索フォーム
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
リンク
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
PR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。